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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第4章 傷だらけの翼


「組長…?起きて下さい」

相葉の優しい声が頭上から降ってくる。
いつの間にか寝てたらしい。
朝になってた。
隣に、松本の姿はなかった。

「シャワー、してきてください」

相葉の手にはバスローブがあった。

「…ああ…松本は?」
「二宮が今日、上海から戻りますから迎えに」
「ああ…そうだったな。すぐ、俺のところに来るよう伝えてくれ」
「はい。…組長」
「ん?」

素っ裸でベッドから降りようとしている俺に、バスローブを掛けた。

「総長、かなり厳しいみたいです」
「…いつまで保ちそうだ?」
「今週いっぱいかと」
「二宮の買い付けたブツはいつ入る」
「一ヶ月先ですかね」
「ふうん…時期的にゃいいか…四十九日があるからな…」
「はい。後…差し出がましいとは思ったんですが…」
「なんだよ」
「草彅の兄貴から、チャカ300丁貰いました。勝手ですが受け取りました」
「はあ?あの人、どこにそんなもん隠してんだよ!?」
「組長を降りられるとき、隠してた金で買い付けたそうです」
「やっぱ…あの人一筋縄じゃ行かねえわ…」
「盃、どうします?」
「やるしかねえだろ…ここまでされたら…」

近日中に、長瀬と草彅の叔父貴と盃を交わすことになる。
その時まで…親父、生きててくれよ…?

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