第15章 落陽の夢
「さ…もう寝よう」
「うん…」
マグカップをシンクに置いて、和也の手を握った。
見上げた和也は少し微笑んで…俺の肩に凭れた。
「智…」
「ん…?」
「なんでもない」
暫くそうやって立っていた。
お互いのぬくもりだけが、温かさで…
それが、どんなにしあわせで
どんなに寂しいことか
俺達は噛み締めていた。
「さ、行こう…」
和也の手を引いて寝室に戻った。
そのままベッドに二人で潜り込んで、また身体をくっつけた。
「おやすみ…和也」
「おやすみ…智」
明日は、晴れるだろうか…
翔…