第14章 啼き竜
「抱くよ…抱くから…」
智は俺を見上げた。
「だから…絶対に置いて行かないで」
笑って俺に手を伸ばす。
髪に手を置くと、俺の頭をゆっくりと撫でた。
「…愛おしいなぁ…」
「智っ…」
急に引き寄せられて、唇が重なった。
そのまま身体を反転させられて、ベッドに寝転がる。
唇を智の舌が割り込んでくる。
俺の舌を見つけて絡ませるとゆるく吸い上げながら、シャツのボタンを外し始めた。
「和也欲しい」
「あげるよ…いくらでもあげるから…だから置いて行かないで」
「泣くなよ…」
「智…お願い…」
涙で智がよく見えない。
ぼやける視界に漂う智は、本当に消えてしまいそうで…
「置いて行かないでぇ…」
「大丈夫だよ…和也…」
「智…智…」
「一人には、しないから」
ゆっくりとお互いの服を脱がせあった。
裸になると、抱き寄せて…
お互いの体温を感じながら、名前を呼び合った。
この世で、たった二人になったようだった
俺と、智…
ふたりしか、居ない。
どちらからともなく抱きしめていた腕を外すと、再び唇を重ねた。
智の唇が外れると、そのまま俺の首筋を這って行く。
その動きに合わせて、俺の手は智の中心を握りこむ。
熱い…