第14章 啼き竜
車を若衆に預けて、智の後を追った。
寝室に入ると、いきなり腕を引かれた。
「和也…」
抱きしめられたまま、ベッドに倒れこんだ。
「…智…?」
「明日…海辺の家に行こう」
「え?」
「そうだな…暫くあそこで住んでもいい」
「…なに言ってるの…あそこは翔さんと…」
「いいんだ」
「でも」
「いい…おまえなら…」
ぎゅうっと俺を抱く腕に力が入った。
「もう…おまえしかいないから…」
「智…」
ゆっくりと身体を離すと、智は俺の顔を愛おしそうに手のひらで包んだ。
「おまえらは…俺だから…」
「え?」
「だから、翔も許すと思う」
おまえらって…相葉さんと潤のこと…?
「愛してる…」
一瞬、智が消えてしまうんじゃないかと思った。
「え…?」
「和也…愛してるよ…」
「待って…智…」
「和也…」
「だめだっ…智っ…」
必死で智の身体を抱き寄せる。
だめだ…だめだ…
一人で、逝かせない
「愛してるよ…和也…」
「なに言ってんだよ…やめろよっ…」
「ふふ…」
俺の胸で笑うと、智の腕から力が抜けた。
「和也…抱いて…」
「え…?」
「俺のこと…抱ける?」
「智…」