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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第14章 啼き竜


次の日から、有給をとった。
久しぶりの休暇。
課長は嫌な顔したけど、すぐに書類にハンコをくれた。
だって、ずっと休んでなかったんだから。

俺よりも若いくせにケチなんだよな。
頭、硬いんだよ。

デスクに寄って、そういえば昨日殺した奴らどうなったんだろうと、内部データにハックした。
ホントはダメなんだけど。
部署違うから。
組対と捜査一課のデータを眺めた。

「あれ…?なんも上がってないな…」
「成田、なにしてる」

隣にいる岡本が俺の手元を覗き込んだ。

「見てんじゃねえよ」
「おまえ、有給なんだろ?余計なことしてないで行けよ」
「うるせえな…」

最近、岡本はやたらと俺に絡んでくる。
今までずっと喋りもしなかったくせに。
同期の誼で喋ってやってるけど、こいつは煙たい。

「…休暇なんか取ってなにするんだよ?」
「ああ?なんだっていいだろうが」
「まさか、コレか?」

小指を立ててきた。

「…なんだよ。わりいかよ」
「へえ…呑気なんだな」
「え?」
「…さあ、行けよ。行かねえと仕事さすぞ」
「わかったよ…」

面倒くさいやつ…

きりっとした男前のくせによ。
こいつも細かいんだよ。

パソコンの電源を落とすと、足早に部屋を出た。

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