第4章 傷だらけの翼
「ふざけんなテメエ…」
「またあの時みたいに…なりたいですか?」
「なんだと…?」
「翔さんが死んだ時みたいに…」
怒りで目の前が真っ赤になった。
「ふざけんじゃねえっ…」
松本は俺の拳を躱して、俺の両腕を捉えた。
「なんで泣いてるんです…」
「ふざけんな…」
「泣いてるのに、なんで一人になるんですか…」
「俺の勝手だろうが」
「放っておけるわけないでしょうが…」
松本の顔が近づいてきて、俺の唇を塞いだ。
「んうっ…」
「あなたがあくまでも帰るというなら、俺はここであなたを抱きます」
「ふざけんなっ…ばかやっ…」
また唇を塞がれて、あっという間に息が上がる。
身体に力が入らない。
あの頭痛の後は、全身に力が入りにくくなる。
医者に行ったら、精神的なストレスを受けることによって出てくる頭痛だと言われた。
悪いところなんてどこにもない。
精神的にストレスが掛かり過ぎると、出やすくなるということだった。
「やめろ…松本…」
ベッドにうつ伏せにされて、ベルトを外される。
そのままスラックスをずり下げられて尻が外気にさらされる。
「抱いてあげますよ…あの時みたいに…」
「やめろっ…」