第12章 竜飛
今、親父はエネ庁の長官を狙えるポストにいる。
毎日、派閥争いに奔走してる。
足を引っ張られないよう、必死だ。
だから極道である俺の事が邪魔になった。
そして…
親父の出世の糸口が、ある。
それは小杉と松尾にやらせている臓器の密売だ。
普通の密売じゃない。
仕入れた臓器を、議員や高級官僚に売りつけているのだ。
普通に待ったら、何年も先になるような臓器移植。
それを政財界あらゆる重要人物に密かに売りつけることで、出世の糸口にしてきた。
エネ庁の長官になったら、経産省の事務次官。
そして、その先にあるのは政界進出。
親父と直接話しをしたわけじゃない。
だから真意はわからない。
でも、大方そんなところだろう。
そんなことのために、俺は二度殺される。