第12章 竜飛

智…

俺は、一体なんのために生まれたんだろうな。
きっと、智に出会うためなんだろうな…
もうそれしか理由がない。

一緒に生きていくため、一緒に歩いていくため…

愛しあうため…

虫けらのように親に踏み潰されるために生まれてきたなんて、思いたくない。

俺は俺の命を生きる。

だから…

親父を殺す。


もしも…




もしも俺が捕まって服役したら…
智は待っててくれるだろうか。




きっと、智なら…
待っててくれるよな…





もしも…




俺が死んだら…








絶対に後を追うな。