第12章 竜飛
智へ
この文書を読んでいるということは、俺はもう生きてはいないということだろう。
ごめん
俺が生きていないのは、俺のせいだ。
俺の事情を片付けることができなかったせいだ。
だから、自分を責めるのはやめてくれ。
誰のせいでもない。
俺は、俺のせいで死んだのだから。
何度も書いては消して…
どこから、なにから書いていいのかわからない。
そして、これを誰かが読むのかもわからない。
もしかしたら誰も読まないのかもしれない。
でも、書かずには居られない。
智…
本当は全部、言ってしまいたかった。
でも、俺は弱い。
弱いから、言えない。
全部終わったら…
いつか、言えるかもしれない。