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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第12章 竜飛


「あの…また俺、シマが増えるんですか?」

相葉が恐る恐る聞いてきた。

「ああ…小杉のシマ、まるまるお前のもんだとよ」
「あ…あぁ…そうですか…」
「ハクがついたじゃねえか。良かったな」
「はあ…でも実力じゃないんで…」
「松本に助けてもらえ」
「え…」
「お前らなら二人で一人前だろ」
「総長!」

松本が助手席から睨む。

「なあんだよ…」
「相葉と一緒にしないでください!」
「どういう意味だよ!潤!」

また二人で兄弟げんかを始めたからほっといた。
二宮が運転しながらくすくす笑ってる。

「お前ら…二宮に笑われてんぞ…」
「こ、こらっ!二宮っ…」

相葉が真っ赤な顔して怒るが二宮はどこ吹く風で…

「運転中です。邪魔しないでください」
「おまえなあ…」

ここで思わず俺も噴き出した。

「そ、総長っ…!」
「だってお前…」

腹が痛い。

「相葉ぁ…こいつら年下だろぉ…」
「わ、わかってますよ!もうっ…」

松本のほうが大野にいた期間は長いが、ヤクザになったのは相葉のほうが先だった。

なのに…こいつは、生来の人の良さが見え隠れして、ついからかいたくなる。

ふっと…

昔に戻った気がした。

翔…

お前だけ、いない

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