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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第11章 竜に翼を得たる如し


「黙れよ…おまえなんかより、智さんのほうがどんだけ心が綺麗か…てめえのほうがど汚ねえんだよ…」

静かな声で喋っているのに、手は止まらない。

「おまえが翔さんを殺したんだろうが…おまえが…」

もう小杉は動かない。

「二宮…もういい」

二宮が動きを止めた瞬間、小杉が呻いた。

「…れ……い…」
「え?」
「お…れじゃ…ない…」
「じゃあ誰だよ」

襟首を掴んで、二宮が小杉の身体を起こした。

「俺は…襲撃の指示は出してない…断った…」
「なんだと…?」
「言え…小杉」

がくんと二宮が揺する。

「しらねえ…」
「てめえっ…」
「二宮、いい」

俺は立ちあがって小杉に背中を向けた。

「襲撃の指示を出してきたのは櫻井俊か?」
「…ああ…」

草彅の顔を見た。

「バラせ」
「はい」

そのまま部屋を出た。
後ろから相葉がついてきた。

「総長…」
「ああ、誰か車出してくんねえか」
「すんません…俺で。二宮、もう暴れて手がつけらんねえんで…」
「じゃあ、運転頼む」
「わかりました」

車に乗り込むと、もう何もしたくなかった。
身体の力が一気に抜けて、タバコを吸う気力もない。




翔…


なあ…


そこは、冷たいか…






俺は…温かかったのか…






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