第11章 竜に翼を得たる如し
「エネ庁…」
翔もシゲにエネ庁の事を調べさせていた…
「エネ庁の役人の目的は2つあった」
「なんだよ。それは」
「臓器を安く手に入れること。もう一つは…」
「早く言え」
「出世の妨げになるものを事前に処分すること」
「は…?」
「俺も成田も、ただそれだけのために使われただけだ。だから恨むなら、そいつを恨めよ。俺を恨むのは筋違いだ」
そういうと、小杉は疲れたように床に頭をつけた。
「殺せ」
「その役人の名前は」
「殺せよ」
「言えよ…小杉」
「殺せって言ってんだろうが!」
「……言わねえと、生かしておくぞ?」
「なんだと?」
「腕も足もちょん切ってよ…生きながら地獄見ればいい」
「はっ…そんなことできるかよ」
「目の前で、おまえの大事なもんひとりずつバラしてやるよ」
「おい…」
「嬉しいだろ?一緒にテンゴクに行けてよ…」
また小杉の髪を掴むと、上を向かせた。
「もう俺を嬲ったって、あんたは総長になれねえんだ…いい加減吐けよ」
「はっ…ホモのくせによお…偉そうなこと言うなよ」
「だったら何なんだよ。女なら上等なのかよ?あ?」
「汚らしい…人間のクズめ…」
小杉が言った瞬間、二宮が飛び出しきた。
馬乗りになって、左手で殴り始めた。