第11章 竜に翼を得たる如し
「なにする気だっ…俺をバラしゃいいだろ!あいつらには関係ねえっ」
「…だから、おまえが知ってること、全部吐けよ…」
「言うかっ…」
ぺっと小杉が血混じりの唾を俺の顔に吐いた。
「おいっ…」
相葉がいきり立って小杉に迫る。
「いい。放っとけ」
「総長!」
手の甲で拭って、小杉の服になすりつけた。
「松本…小杉の家いって、孫攫ってこい」
「わかりました」
「やっ…やめろよぉっ…」
「目の前で孫バラされんの、見学するんだな」
孫の写真を刺した時が一番反応が良かった。
これしかねえだろうな…
「わかった…!言うからっ…やめろやぁっ…」
ぐいっと小杉の顔を踏んだ。
「最初からそう言やいいんだよ…」
涙を流しながら放心する小杉の横っ面を踏みながら、松本に声をかける。
「もういいぞ」
「はい」
足を外すと小杉の前にしゃがんだ。
「で…?お前はどこからの情報で中国のレアアースに手ぇだしたんだ」
「経産省の役人だ」
「どうやって知りあった」
「向こうから声を掛けてきた」
「…結果、大損だったんだよな?」
「ああ…」
「それで親父のタマ取ろうとしたのか」
「…唆された」
「誰に」