第11章 竜に翼を得たる如し
「そんなこと…」
「いいか、小杉はビクビクしてやがる。だからガードを崩すのは難しい。だが、グズグズしてる暇はねえんだ。俺は、一刻も早く知りてえんだ…」
「総長…」
「それと、シゲんとこ行って、翔のパソコンのバックアップ…あれを早く探しだして欲しいんだ…」
タバコの灰を落とすと、相葉と松本は黙りこんだ。
「…頼む…今回は支えてくれや…」
「わかりました」
「相葉っ…」
「潤…ほんとおめえ…頭に血が上ったら見えなくなるのな…」
「なにがだよっ…」
「総長の顔みてみろよ…ちゃあんと」
松本が俺の顔をみた。
「なんだよ…俺の顔がなんだってんだよ…相葉」
「いえ…でも…俺達は連れて行って貰えないんでしょう…?」
相葉が微笑んで俺を見た。
「…そう、だな…」
「智さん…」
「松本、これは俺が決めたことだ。今言ったこと、きっちりやれや」
「…わかりました」
「それから、相葉」
「はい」
「松岡には言っておいたから、こっちに掛り切りになっていいから」
「ありがとうございます。小杉の件はなるべく早めに」
「頼む」
「シゲの方は、今晩にでも行ってみます」
「そうしてくれるか」
「…俺も、知りたい…真実が…」
相葉が目を合わせた。
「…そうだな…雅紀…」
呟くと、こくりと頷いた。