第11章 竜に翼を得たる如し
草彅が到着して、リビングにやってくる。
「書斎、行こうか…」
3人で書斎に入る。
ソファに座ると、草彅が向かいに座った。
二宮はドアの前で立っている。
「総長、どういう情報が入ったんだ」
「遠藤からだ。公安の情報だ…」
草彅に話して聴かせると、無表情になった。
「役人…経産省…?」
「ああ…そこの繋がりは遠藤も掴めていない。ただ、公安を煽っているのは、経産省の役人だ」
「なんで…そんな…」
「二宮」
「はい」
「おまえも見てくれ」
翔の身上調査書をテーブルに投げた。
「総長…こりゃあ…」
「これは翔が俺の舎弟になった時に調べたものだ」
「これがなにか…」
「翔の父親の職業、見てくれ」
草彅はページを繰っていく。
横から二宮も覗き込んでいる。
「あ…」
草彅も二宮も俺の顔を見た。
「…わからない…まだなんの確証もない。だから、小杉をリンチにかける。吐かせてはっきりさせたい。それにもう小杉にゃ用はなくなったからな…」
「…だな…こりゃあ…あんまりにも…」
草彅は絶句している。
その横で二宮は鋭い目で報告書を見ている。
「…違うと、いいんだがな…」
「ああ…」
あまりにも、悲しい…