第3章 取り残された竜
「智さん…好きです…」
小さな声で二宮が囁く。
聞かなかった振りで、二宮の身体に唇を滑らせていく。
「あなたが誰を思っていようと…俺は…」
「黙れ」
その唇をキスで塞ぐと、そこからはお互い喘ぐ声。
ベルトを外すと前を開けて、二宮の顔を埋める。
「舐めろ」
「はい…」
嬉しそうに俺を咥え込んで、二宮は俺を見上げる。
いつもは冷たいとすら思うその眼光は、縋るような色を見せる。
愛さなくてもいい…その分、自分が愛するから…
そう言っているようで…目を閉じさせる。
ごめんな…俺はまだ…
二宮の口からぬけ出すと、深いキスをする。
「智さん…」
「二宮…」
二宮のベルトを外し、スラックスを脱がせる。
熱く滾った中心を握ると、甘い声が聞こえる。
二宮の肩の青龍にキスしながら、扱くと身体が震える。
「気持ち良いのか…?」
「はい…嬉しい…」
俺の背中に手を回して、俺を抱きしめると二宮は幸福そうに笑う。
「智さん…温かい…」
そのまま肩口に顔を埋めて、二宮は快感に漂う。
「俺は…こうやっていれば、幸せです…」
二宮の体温を感じながら、また俺も…
癒やされていくようで、動けなくなる。