• テキストサイズ

翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第11章 竜に翼を得たる如し


店の外に出ると二宮が車を回してきた。
乗り込むとシートに沈んだ。

「遠藤はなんて言ってきたんですか?」
「ああ…公安の外事二課ってとこの成田ってやつが、小杉とつながってるらしい」
「外事二課って…アジアですね…」
「お前良く知ってんな…」
「今回勉強しました」
「そうか…熱心な舎弟がいて助かるよ」
「横流しされてんのはフィリピン辺りで作ったシャブでしょうね…」
「そうだろうな…」

流れる車窓の外は、もう真っ暗だ。
ガラスに映る顔を見た。
陰腹を切るってなんだ…?

「それでな…公安のやつが繋がってんの、経産省らしい」
「経産省…!」
「そいつが十中八九、依頼元だろうな…」
「臓器売買の…」
「ああ…どこも腐りきってやがる…」
「…調べを進めます」
「ああ。草彅にも伝えてくれ」
「わかりました」

経産省…どこかで聞いたか見たか…
どこだったか思い出せない。

「あ…」

翔…

「総長?」
「家に…大野の家に行ってくれ!」
「どうしたんですか…」
「うるせえ!早くいけっ」

ただの偶然…だろ…?
だってこんな…もしそうだとしたら…

あまりにも残酷な…

車は飛ぶようなスピードで大野へ向かった。

/ 541ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp