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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第11章 竜に翼を得たる如し


家に入るとまっすぐに翔と使っていた寝室に入った。
二宮は部屋の入り口で黙って立っている。
ベッドの横の作り付けの棚を片っ端から開けていく。

「あった…」

とじ紐で綴ってあるだけの簡単な報告書。
表紙には『櫻井翔の身上調査』と書いてある。
報告書自体は簡単なものだ。

「これだ…」

翔の父親は経産省の高級官僚…
簡単な報告書だからここまでしか書いてない。

「総長…どうしたんですか…この部屋…」
「ああ…」

どうすればいい…
どうしたら…

「和也ぃ…」
「どうしたの…?」

崩れ落ちそうになる体をなんとか支えた。

「小杉…バラしにいこう…」
「えっ…」
「今すぐ…」
「待ってください!まだ準備が…」
「そんなこたどうでもいい…!拉致ってこい…今すぐ」
「どうしたんだよ!智!」
「草彅のヤサに連れ込め」
「智っ」
「いいから早くしろっ…」

がくっと膝から力が抜けた。
頭が割れるように痛い。

「智っ…」

和也が駆け寄ってくるのが目の端に見えた。
そのまま真っ暗な世界に吸い込まれていった。



翔…



ねえ…



翔は知ってたの…?



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