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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第11章 竜に翼を得たる如し


小杉の解任劇は、喜多川どころか翼竜会にまで波紋を広げた。
いちいち俺んとこにくるから面倒くさかった。
まあ、そうも言ってられないから対応したけど…
ほとんど松岡のところで済んではいたが、中にはそれじゃ気の済まない奴もいて…

特に小杉の側近連中がうるさかった。
だがこいつらもシャブにまみれてる。
草彅がちらっと証拠があることを匂わせたら一発で黙った。
小杉は喜多川ではいるんだけど居ない存在になりつつある。

あの日から小杉の動きは派手で…
証拠をばらまいているようなもんだった。
破門にするには充分な量だった。

だけど、肝心な所にはコンタクトをとっていない。

だからまだ泳がせる必要があった。

「おい草彅…」

書斎に草彅を呼び出して指示をだした。

「シゲから情報が上がってきてな…」
「なんでしょう」
「組対は単純に喜多川のシャブを挙げるよう、公安に焚きつけられたらしいんだ…」
「ほう…妨害ってとこですか…?」
「ああ…組対は邪魔くせえからな…」
「で?どうするんです?」
「小杉の側近、一人差せや」
「組対に?」
「公安に差したってだめだろうが」
「ですね」

くくっと笑って草彅は頷いた。

「一罰百戒…」
「ばあか…四文字熟語はよええんだよ…」
「智が漢字に強いことあったか?」

笑いながら草彅は書斎を出て行った。

「ば、ばかやろー…」

二宮が後ろで笑いをこらえていた。

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