第10章 夢路
泥のように眠った翌朝、目が覚めたら智が起き上がっていた。
「智…?」
「翔…」
「ん…」
「情けない姿見せてごめん」
「智…」
「俺達は…極道だもんな…」
俺は智の肩に手をかけた。
まだ墨の入っていない、滑らかな肩…
これ以上、智の身体に墨は入れさせない。
「…もう一回…」
「え?」
智を押し倒すと、肩に跨った。
「舐めて」
少し開いた唇に、滾った自分を押し当てた。
目を潤ませながら、智は口を開いた。
ぐいっと押し込むと、舌が絡んでくる。
「う…智は…舐めるのがうまいね…」
嬉しそうに口の端を上げながら、智は俺を咥え込んでる。
「たくさん…濡らしてね…」
頷くと、じゅるっと音を立てながら唾液を俺にまとわせる。
充分滾ったら、口から引き抜く。
「もう入るからね…」
額にキスしながら、手で自分を持って蕾に充てがう。
「翔…」
ぐいっと中に入ると、智の手が俺の髪を撫でていく。
「あ…あぁ…俺は…翔のものだよ…?」
驚いて顔を見ると、微笑んで俺をまっすぐ見ていた。
なぜだか…
なぜだか涙が溢れだして…
「智…」
言うつもりはなかったのに…
「智…俺だけのものになって…」
伸びてきた智の手に抱きしめられ、俺は智の中にありったけを放った。