第10章 夢路
何度も何度も…
智が気を失うまで、それは続いた。
どちらの体液かわからないものを纏って、俺達はベッドに沈んだ。
気を失ってしまった智にキスをすると、ぎゅっと身体を抱きしめた。
とんだエゴだ…
それほど俺はこの人を愛してしまった。
どうしていいのかわからない。
なぜこんなにこの人を求めるのか…
なぜ身体を重ねるだけでこんなに救われるのか…
「愛してる…」
髪を撫でながら、ひたすら思うのはそれで…
「愛してるよ…智…」
「翔…」
うっすらと目が開くと、微笑む。
「俺も…愛してるよ…」
また夢の世界に戻っていく。
「…ありがとう…」
あなたに出会えたことは、奇跡なのかもしれない。
あの時死んでいたら…
あの時涼介が死ななかったら…
俺の親父があんなやつじゃなかったら…
絶対に…離さない…
立ち上がると部屋のドアから顔だけだした。
やつれた顔の相葉と松本と二宮が立っていた。
「もう大丈夫だ…部屋にもどれ」
「…翔さん…」
若いころの呼び方…
「ああ…今日はゆっくり休め…」
頷いて背を向けるこいつらも…
智に惚れてる。
だけど、それは言わないだろう。
…言わせないだろう…