• テキストサイズ

翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第10章 夢路


そのまま空いてるパソコンに、自分のノートパソコンをつなげてバックアップを取った。
これはいつもやってることだから、別段増田はなにも言わない。

「今日、シゲは?」
「もうすぐ来ると思いますよ?」

世界中の相場を見てるから、こいつらは交代でここに詰めてる。
今日はシゲが夜の番らしい。

データが更新されるのを待っていたら、慶に連れられて祐也が泣きながらリビングに入ってきた。

「若頭…しゅいましぇんでしたぁ…」

頬が腫れているので、上手くしゃべれないらしい。
ぶはっと俺が吹き出すと、慶も増田も笑い出した。

「うえええ…」

まだまだ甘ったれだが、仕事の腕は確かだ。
俺は祐也を引き寄せると、両腕を持った。

「俺はな、おめえが憎くてやってんじゃねえんだからな?」
「あい~…」
「立派な大人になれ…祐也。そしたらいくらでもモクっていいから」
「しゅましぇん~…」

皆で笑っていたら、リビングのドアが開いてシゲが入ってきた。

「なにしてんすか?」

メガネをずり上げながら不思議そうな顔をしてる。

「ま、いいってことよ…」

立ち上がるとシゲの肩に手を置いた。

「で、例の件どうだ?」

/ 541ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp