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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第10章 夢路


翌日から、松尾の実行部隊をぶっ潰すべく動き出した。
小栗からの返事はまだないが、ほぼ決まりだろう。
同時に、エネ庁の調べをシゲに進めるよう依頼した。
核心は言っていない。
派閥や、昇進のことについてだ。

もしもこの件に関係してるとしたら…
理由はそこだろう。

そんなとき、景子姐さんから連絡があった。

「姐さん、どうしたんですか」
『櫻井、あんたに話がある。喜多川まで出向けるか』
「はい…わかりました」

なんとか時間を作って、喜多川に出向いた。
喜多川に入ると、総長の書斎に通された。
未だかつてなかったことだ。
なんとなく、嫌な予感がした。

「待たせたな」

入ってきたのは総長だった。

「あっ…お疲れ様ですっ…」
「ああ…いいから、座れ」

総長は窓辺の座布団に座った。
後ろの窓から庭が見える。

用意されていた座布団に座ると、俺の後ろに景子姐さんが座った。

「すまねえな…わざわざ…」
「いえっ…とんでもないです…」

背中を汗が伝っていった。

「…櫻井…どこまで知っている」

総長はいきなり核心を突いてきた。

「は…」

喉の奥が狭まったようになにも言えない。

「お前の父親…」
「総長っ…」

座布団から降りて、総長ににじり寄った。

「どうかっ…まだそれはっ…」

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