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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第9章 切迫の淵


俺が言うと松岡がにやりと笑った。

「掴んでたのに黙ってたのは…何故です?」
「そりゃあ…確証がなかったからよ」
「じゃあなんで白波瀬を見せしめに?」
「あいつのしっぽは草彅が掴んでたからだ」

山口が身を乗り出した。

「総長…若頭はなんであんたを目の敵にしてたんだ?」
「そりゃこの審議には関係ないだろ」
「あんたが総長を継ぐって話が出る前からだよな?」
「さあな…」
「松尾組との抗争の一件か?」
「…なんでそう思う」
「あれからあんたたちはおかしい」
「それが今、関係有るのか?」
「俺は審議委員長だ。間違った情報で審議したくないんでね」

そうくると思ってた。
草彅を見ると、頷いた。

「大野組と松尾組の抗争の件はまだわからないことがあって調査を開始した。若頭がそれに噛んでいるかはわからない。それは分かり次第、報告します。若頭のシャブと臓器売買は確実です」
「なんだと…なんで小杉が松尾組と…?」
「それはわかりません。でも大野の情報が筒抜けでした」
「…内通してる者が居たってことか…」

近藤が顎に手を当てた。

「へえ…何年も前から…舐めた真似してくれてるじゃねえか」

東山の目が光った。

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