• テキストサイズ

翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第9章 切迫の淵


「翔さんは…その関係の何かを掴んだんでしょうか…」
「さあな…今となっちゃ…翔のものもどこにいっちまったかわからねえし…」

翔が死んだ時、大野の家には警察の捜査が入った。
その時押収されたものが、なんなのか誰もわからなかった。
それは今だに手元には戻ってきていない。

翔の両親がどうやらそれを引き取ったらしい。

時々、翔の部屋に入ってみるけど、翔が使っていたパソコンなんかがぽっかりない部屋は、心臓がない人間みたいだった。
そう思ってからは、翔の部屋には入っていない。

「智さんっ…」

暫くぼーっと考え込んでいたら、松本の声が聴こえた。

「ん?なんだよ」
「あ…いえ…」
「どうしたんだ。言えよ」
「…泣いているのかと…」

俺から目を逸らして言う松本の目が赤かった。

「…すまねえな…情けない頭でよ…」
「そんなっ…」
「しゃっきりしてきたから、心配すんな」
「俺たちは…どこまでも着いて行きますから…」
「松本…」

相葉が不意に立ちあがった。
そのままおもいっきり松本を殴りつけた。

「ってぇな!なにすんだ!」
「馬鹿野郎!総長の顔ちゃんと見ろや!」
「ああ!?」
「わからねえのか!このバカ…」

/ 541ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp