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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第9章 切迫の淵


大野の家につくと、相葉を呼び出した。
ちょうど喜多川でも一段落ついて、後は小杉に任せて来ることになった。

「松本も居たら連れて来てくれ」
『わかりました』

暫く、時間が空く。
この時間が欲しくて、車からは連絡しなかった。

「二宮…」

若衆に相葉たちが着いたら知らせるよう言い置いて、寝室に二宮を連れて行った。

「智っ…」
「和也…」

腕を引き寄せて抱きしめた。

「智はっ…そのままでいいっ…」
「和也…」
「俺達が…ちゃんとやりますから…だから、隠さないでくださいっ…」
「…大丈夫だ…」
「智さんっ…」

ぽろぽろと涙を流しながら、上気した頬で俺を見つめる。
ああ…綺麗だなぁ…
俺のために、泣いてるんだよな…

「おまえは…俺の女だから…」
「…え?」
「だから…おまえには隠さねえよ…」
「智…」

ああ…こんな綺麗なもの、連れて行っていいのかな…
翔が怒るかな…
でもな…連れて行かないと、死ぬって言うしなあ…

なあ…翔…

二宮、連れて行っていいか…?

「なに…笑ってるの…?」
「ん…?俺の恋人は綺麗だなあって」
「は…はぁ!?」
「なあ和也」
「は、はい」
「一緒に死んでくれるか」

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