第9章 切迫の淵
「なんで…閉じないんですか…?」
俺の中に埋まりながら、松本は汗をかいてる。
白い肌を流れる汗が、綺麗だと思った。
肩の龍は相変わらず俺を睨むけど、天に登る姿は美しかった。
松本は律動しながら、俺を愛おしそうに見つめる。
その目を真っ直ぐ見つめて、俺は感じていた。
翔じゃなく、松本を受け止めた。
「…おまえは松本だからだよ」
「智さん…」
「お前が俺を欲しいんだろ…?」
「うん…」
ぎゅっと松本は俺の身体を抱きしめた。
「俺の…名前呼んで…」
「…潤…」
「嬉しい…」
腰の動きが激しくなる。
突き上げられて、思わず声が漏れる。
「もっと、感じて…お願い…」
「潤っ…ああっ…それっ…だめっ…」
「いいんでしょ…?凄く締まる…」
「あっ…息、できなっ…」
「我慢しないで…イっていいから」
「だって…あっ…ああっ…」
ぐいぐい松本が中に入ってくるから、身体が2つに裂けそうだった。
「潤っ…もうっ…」
「イケよ…」
その低音の声が…似ていた。
呆気無く、松本の手の中に精液を吐き出した。
松本はそれを舐めながら、俺の中をまだ動いてる、
「やめろよ…そんなの舐めるな…」
「させてください…」
べろりと口の周りを舐めると、松本の眉間にしわが寄った。