• テキストサイズ

翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第9章 切迫の淵


翔と同じ香水の匂い…
目を閉じると、その広い胸に顔を埋めたくなる。

翔…

「どこにも…行かないでください…」
「え…?」
「最近怖いんです…総長がどっか行ってしまいそうで…」
「…どこにもいかねえよ…」

松本の背中に手を回すと、擦ってやる。

「いかねえから…」
「智さん…」

松本は起き上がって、俺の頬を手で包んだ。

「今だけ…」
「え?」
「今だけ、俺に智さんをくれませんか」
「なに言ってんだよ」
「お願いします…頼んます…」
「待てよ…」

強引に顔が近づいてきた。
松本の唇が重なると、息もできないほど責め立てられた。

「待てって…てめえっ…」
「いやだ…」

ぽたりと涙が顔に落ちてきた。

「松本…」
「お願いです…行かないで…」

そのまま松本の顔が首筋に埋まった。
舌で耳の下を舐めあげられると、身体が震えた。
耳を食まれながら、シャツのボタンを外されていく。

「翔さんの代わりでいいですから…目を…」

きゅっと胸の先端を指で挟まれ、身体がびくりと反応する。

「閉じて下さい…」

松本の手が、だんだんと俺の身体に火をつけていく。
蕩けるような快感を、与えられた。

目は、閉じなかった。

/ 541ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp