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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第9章 切迫の淵




やめて…お願い…翔を奪わないで…


「智…」

呟く声に目を開けた。

「大丈夫…?」

二宮が俺の顔を覗き込んでいた。

「頭、まだ痛い?」

額に濡れタオルが乗っていた。

「大丈夫…」

濡れタオルを取って、傍らの時計を見た。
あれから二時間以上経っていた。

「疲れてるだけだ…」
「そう…?」

起き上がると、頭がくらくらした。
しばらくすると、めまいも治まった。

「あいつらは?」
「もう帰りました。今日は自宅で休むそうです」
「わかった…」
「誰にも言ってませんから…安心して下さい」
「ああ…すまねえ…」

ベッドから降りると二宮を抱き寄せた。

「風呂…」
「うん…」

二宮の服を脱がせると、背中の観音に唇を這わせる。

「あ…智…」

そのままスラックスを脱がせて、壁に手をつかせる。
足を割り開くと、猛りを押し当てた。

蒼い光の中…二宮の姿は綺麗で…

このまま俺が汚していいのかわからなくなった。

「智…?」

動きの止まってしまった俺を二宮が見上げる。

どうして…あの時…

翔は俺を抱いたんだろう…

「…俺のこと、抱けない?翔さんを思い出した?」

二宮の言葉が胸に刺さった。

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