第8章 竜鳴
「俺は…死なないし、あなたの傍から離れないから…」
俺をぎゅっと抱きながら、和也は微笑んでいるようだった。
「死ぬときは…一緒です…だから、生きるのも一緒です…」
腕の力が抜けて、シーツの上に投げ出された。
「だから…抱いて…」
「和也…」
身体を起こすと、和也は微笑みながら俺を見てた。
「俺が…姐さんにも親父さんにもなります…」
俺の頬を手で包むと、じっと俺の目を見た。
「あなたは…一人じゃない」
にっこり笑うと俺の顔を引き寄せた。
触れた唇も熱かった。
そのまま夢中で和也を抱いた。
腕の包帯に血が滲んでもやめられなかった。
「はっ…あっ…和也…」
「智ぃ…もっと、もっと奥に…」
「うん…もう、お前に埋まっちまいたい…」
「嬉しい…嬉しい…智…好き…」
細い体を抱きしめながら、俺達は何度も果てた。
和也が意識を飛ばすまでそれは続いた。
「ごめん…和也…」
目を閉じてベッドに横たわる和也の頬にキスを落とした。
こんな状態なのに…俺に全てを投げ出してくれる。
「ありがとうな…」
頬を撫でると、俺は立ちあがった。
台所で氷枕を作った。
当直の若衆が手伝ってくれて、なんとか作ることができた。