第8章 竜鳴
居間に入って、幹部連中が入ってくるのを待った。
若衆が茶を出していく。
湯のみを手に持ったところで、全員入ってきた。
「座れよ」
ソファに腰掛けると、俺の顔をじっと見た。
「…今日はご苦労だったな」
一口茶を飲むと、湯のみを置いた。
「東山と近藤が小杉を牽制してるから、奴は身動きが取れてない。松岡も山口も…国分もな…」
だから、全面戦争は避けられてる。
小杉がチビっていつこっちに攻撃を仕掛けてくるかと思ったが、それは無いようだった。
「城島、二宮の話は聞いたか?」
「はい…厄介な事になりそうですね…」
「ああ…この件は俺が持って行くが、あっちで動けないようなら、お前に任せてもいいか?」
「はい…長瀬組長に通していただければ…」
「ああ。そのつもりだ」
若衆が追加の茶を持って入ってきた。
その間、誰も喋らない。
やがて若衆が出て行くと、相葉が身を乗り出した。
「草彅の叔父貴が整えてくれたチャカ300丁、そして二宮が買い付けてきたブツ…それが揃えば、戦争の準備はできます」
「…わかった。それまでは一切動くなよ?お前ら」
「わかりました…」
不承不承といった感じで、頷く。