• テキストサイズ

翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第8章 竜鳴


ぴくりと眉が上がった。
大損だったくせに…
そのせいで、狂わされたものがたくさんあるんだ。

「ふうん…大した損にはならなかったのか…」
「はい」

じっと小杉の目を見た。

「…今度、その話じっくり聞かせろや」
「…はい…」

小杉に背を向けて歩き出した。

「智也」
「はい」
「疲れたろうが、今日は小杉の指示に従ってくれ」
「はい。そのつもりです」
「頼んだぞ…」

智也が目に力を入れて頷いた。

そのまま玄関に向うと、若衆が集まっていた。

「総長、いってらっしゃいましーっ」
「いってらっしゃいましーっ」

靴をはくと、一斉に頭を下げられた。
大仰だな…

「おう、行ってくる。明日から頼むな」

そう言い置くと、門までゆっくりと歩いた。
玄関に居た、相葉と草彅が後ろについてくる。

「四十九日までは動くなよ?」
「…はい」

相葉が低い声で答えた。

「あ、草彅」
「はい」
「チャカ、ありがとうな」
「いえ…役立ててください」
「それと、明日っからおめえは組長になるから」
「…わかりました。ありがとうございます」
「おめえを幹部にねじ込むから」
「…はい」

相葉と草彅を振り返った。

「頼りにしてんぞ」

/ 541ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp