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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第8章 竜鳴


初七日の法要は静かに終わった。

献杯をして全部終わった。
いかつい連中が次々に俺にあいさつをして帰っていく。
後日、改めて総長就任の時に顔を合わせる。
それまでこいつら、俺のご機嫌取りに来るんだろうなあ…
めんどくせえ…

誰もいなくなった部屋。

祭壇の片付けを業者がやっている。
智也や中丸たちがなにくれとなく手伝っている姿が美しかった。

親父…良かったな…

肘枕をして座布団に寝転がっていたら、亀梨にどかされた。

「総長!片付けてるんですから…」
「へいへい…」

総長への扱いが酷すぎる…
ま、それでいいんだがね。

しょうがないから溜まりに戻った。
居並ぶ喜多川の幹部たち。
俺の顔を見ると、道を開けた。

上座に座ると、小杉や近藤、東山など幹部連中が集まってきた。

「総長、明日の盃ですが…」

小杉が打ち合わせを始めた。

「あ、小杉。相葉と一緒にやってくんねえか」
「え?」
「あいつにいろいろ教えてやってくれ」
「わかりました」

小杉はなにか考えこむような顔になった。
こうしてれば、いい年のダンディなんだがな。
60代になった小杉は、軽薄さばかりが目立つが、顔は整っている。
若いころはモテたんだろうな…

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