第8章 竜鳴
喜多川に戻ると、まだ残ってた翼竜会と一家の連中に迎えられた。
あいさつしながら、祭壇のあった部屋へ向うと初七日の準備ができていた。
智也が親父の骨壷を抱いて入ってきた。
形の変わった祭壇にそれは置かれた。
「親父…」
「総長…」
親父のごく近くに居た側近たち。
それから、喜多川に住み込んでたものたち。
ここに帰ってきたら、泣く奴がいた。
ちょっとホッとした。
松岡と国分が俺の傍にきて座った。
「総長、松本や二宮はどうした?」
山口が後ろから話しかけてくる。
「ああ…病院に戻らせた。二宮がちょっと怪我しててな」
「…もう…総長なんだから、頼むから一人にならねえでくれよ…」
「ああ…しょうがねえだろ。相葉は俺の秘書みてえなもんなんだから…」
その時智也が俺の前に来て、座った。
「総長、ありがとうございました…」
手をついて、俺に頭を下げた。
「いいって…智也、明日盃すんぞ」
「えっ…」
「明日から、大野を頼むな」
「はい…わかりました」
「わからねえことは、なんでも城島に聞けや」
「ありがとうございます!」
また智也は頭を下げた。
居並ぶ喜多川の幹部に俺は告げた。
「明日から、俺もここに入るから」