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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第7章 レクイエム


ドアを開けたら、窓際に組長が立っていた。

電気もつけない真っ暗な部屋。
ブラインドから月光が漏れて入ってきてる。

身に何も纏っていない。
手にはバスタオルを握りしめている。
髪が、まだ濡れていた。
水の雫がきらきらと、床にこぼれ落ちた。

ゆっくりと俺の方を振り返った。

「…なんだよ…」

泣いているかと思った

「あ…いえ…」

苦しんでいるかと思った

「用がないなら、さっさと寝ろ」

のたうち回っているかと思った

「はい…すいませんでした…」

踵を返して、部屋から出た。
ドアを閉めようと振り返った。


組長の手が、月光を掴もうとしていた。


そこから、なぜそうなったのかはわからない。
部屋に飛び込むと、組長をベッドに押し倒した。

そのまま一晩中、俺は組長と繋がり続けた。
泣いても喚いても、俺はやめなかった。

こうしないといけない気がした。
こうしないと組長が死んでしまう気がした。
こうしないと泣きやまない気がした。

ただ、夢中だった。
夢中で腰を動かしていた。
後にも先にも、あんなことなかった。

俺は、組長の身体に溺れ続けた。
組長が意識を飛ばして、眠ってしまうまで。




愛し続けた…




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