第7章 レクイエム
騒ぎが下火になるまで、マンションに潜んだ。
二宮や松本が代わる代わる外に出て情報を持ってくる。
相葉と俺は組長につききりだった。
組事務所と組長の自宅には、警察の捜索が入った。
これだけの騒ぎになると、いくらずぶずぶの関係とはいえ警察もパフォーマンスをしなければならない。
そっち方面は全て喜多川に任せてあった。
問題は大野組幹部が集まるとわかって襲撃してきたところ…
以前から土地の権利で揉めていた組だった。
もうすぐ手打ちだったはずだ。
なぜ今こんなことをしてくるのか、皆目検討もつかなかった。
極東翼竜会と敵対関係にある組織に属している。
だけど、この揉め事は組同士の範囲をでないものだ。
大事になったら、困るのはお互い様で…
なぜこんな派手な事件を起こす…?
「若頭…」
「はい…」
組長はやっとベッドから起き上がれるようになった。
目は…荒んでいる。
「戻るぞ…」
立ち上がると、有無を言わさなかった。
すぐに相葉が車を回して、俺達はマンションを出た。
玄関でシゲがこっそり耳打ちしてきた。
「若頭…小杉組が噛んでます」
頷いて部屋を出た。
俺達が嗅ぎまわっていることに気づいたか…
相変わらず、底が浅いぜ…小杉さんよ…