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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第7章 レクイエム


マンションを出て待たせてあった車に乗り込むと、一斉に俺達の携帯が鳴り出した。

「なんだ…?」

松本と二宮が携帯を出して電話に出る。
俺も鳴り出した携帯を取り出す。

「なんだって!?」

松本が大声を張り上げた。

「若頭っ…」




クラブの近くに車を着ける。
車内には重い沈黙。

「おい…様子みてこいや…」

松本が黙って車を降りていく。
二宮がどこかに電話を始めた。

「はい…今、近くに居ます。…わかりました」

外には赤色灯が煩いほど煌めいている。
こんなにたくさんの赤色灯を見るのは前の抗争以来だった。

「若頭、今、組長が…」
「ああ…まだ近くに居たんか…」
「それが、動けなくなったそうで…相葉の兄貴が連れてきます」
「わかった」

車から降りて辺りを伺う。
まだ組長の姿は見えない。
風が少し出てきたようだ。

手で覆ってタバコに火をつける。
この先にあるクラブの前には数えきれないほどのパトカーと救急車が停まっている。

クラブに襲撃をかけられた。

どこの組織のもんかはまだなにもわからない。
組長は店長にいち早く裏口から相葉と一緒に逃されたから無傷だということだ。

だが…他の幹部が…

知らないうちに、奥歯をかみしめていた。

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