第7章 レクイエム
「増田、お前暫く身体空けられるか?」
「あ、はい。大丈夫だよな?シゲ」
「ああ…ここは俺と慶一郎が居れば大丈夫だから」
「祐也も貸せますよ?若頭」
「ありがたい。じゃあ二人共頼みがある」
ここにいる四人は優秀なハッカー集団でもある。
その腕を買って、普段は投資や投機をさせている。
日本の企業のセキュリティーなんて、ちょろいもんだそうだ。
増田と祐也を前にして、俺は小杉組の調査を命じた。
「わかりました…どんなことでもいいんですね?」
「ああ…特にな、誰か弾くとかタマとるとか…」
シゲが眉を吊り上げてこっちを見た。
「そりゃあ…危険な橋じゃないですか…」
「だからお前らに頼むんだよ…俺は、キケンなのはゴメンだからな」
「まあ…確かに。若頭は武闘派じゃないですもんね…」
中指でメガネをずり上げると、シゲは笑った。
「若頭、それ俺も噛んでもいいですよ」
「ほう…どうしたってんだよ」
「小杉組でしょ?最近、ケツに火ついてるらしいんですよ」
「へえ」
「レアアースの中国の投機に失敗したって話ですよ」
これで繋がった。
小杉は金がほしいんだ。
だから総長を消して、自分が後釜に早く座りたいんだ…
底の浅い男だよ…