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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第6章 昇る竜


一人になりたくて、姐さんの部屋に勝手に入った。
革張りのソファにごろんと寝転ぶと、目を瞑った。
喪服のポケットに入れたスマホが鳴り出した。
城島からだった。

「もしもし」
『あ、ボン、おはようございます』
「どうした?」
『今日、二宮そっちに連れて行ってもいいですか?』
「ああ?医者の許可は出たのか?」
『いえ…ただ、本葬には出してやりたくて』
「まったく…お前は執事か…」
『はい?』

腕の傷を目立たないようにすることを条件に許してやった。
すぐに連れてくると言って電話は切れた。
二宮は幹部候補だ。
前総長の葬儀に出ないのはまずいのはわかる。
だが腕の怪我が心配だった。
まあ、そんなこと言ってらんないんだけど。

またゴロンとソファに寝ると、少し眠ったようだった。
気がついたら二宮と松本が傍に居た。

「あれ…もう来たのか」
「はい。これから葬儀の準備に…」
「いや、いい。お前は俺の傍にいろ」
「でも」
「いいから」

松本に目配せして、外に出した。

二宮をそっとソファに押し付けると、無理やり唇を奪った。

「そ…総長っ…」
「智って呼べ」

二宮に触れた途端、身体が熱くて止まらなくなった。

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