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翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第6章 昇る竜


「いい…」
「智さん」
「いいって言ってんだろ!余計なことするな!」
「すいません…でも」

相葉がまた俺を抱きしめた。

「震えてます…」

家を出る前からの震えが収まっていなかった。

「うるさい…こんなのいつか止まる」
「智さん、せめて…今日はこうやっていていいですか」
「…勝手にしろよ…」

相葉は俺をベッドに寝かすと、部屋の明かりを消した。
俺の隣に潜り込んでくると、俺の身体をぎゅっと抱きしめた。

「眠りましょう…」

翔でもない、二宮でもない匂い…
相葉の腕に抱かれながら、俺は遠い翔に手を伸ばした。

なんで…連れて行ってくれない…

誰も俺を殺してくれない。
翔のところに連れて行ってくれない。

相葉の手が、伸した手を優しく握った。
布団の中に手を入れると、俺をまたぎゅっと抱きしめた。

「俺は…ずっと側に居ます…」

ああ…

ありがとう…

目を閉じると、相葉の唇が柔らかく重なった。

「忘れてください…今夜のことは…」

そのまま相葉の唇が俺の身体を這って行った。
俺は相葉に与えられる快感をただ感じた。
知らないうちに高まって、相葉の口に俺は果てた。

脱力していく身体から、意識が離れていく。

相葉が微笑んで俺を見下ろしていた。

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