第1章 蟲師・ギンコ
予想していなかった圧迫感に、なまえは驚いてギンコの腕を掴んで上半身を起こす。
「え!だ、だめ!まだ…」
「イッたばっかだな。すまん…」
謝りはするが、同調はしない身体。
ぐん、と一突きすれば、嬌声をもってギンコを迎え入れる。
一度動いたらもう止められない。ギンコは彼女に覆いかぶさって、一気に腰を奥へと穿った。
指なんかとは比べものにならない悦楽に、なまえは息も絶え絶えに彼の名前を呼ぶ。
「ぎ、んこ……あっ、ぎんこぉ…」
短時間に一気に絶頂したからか、舌がうまくまわらないようで、こどもみたいに口が動く。
「ぎんこ、きもち……きもちい…ああっ」
「なまえ…」
「やああっ…おかし、く、なっちゃうぅ…」
「大丈夫だ…っはぁ…きもちいか?っ、ほらっ」
少し角度を変えるだけでも、違った気持ちよさに圧倒される。
何度も頷いてギンコの頭を掻き抱く。
「ん…ギンコ、すき」
「……っ、俺も、すきだ」
キスでもしたらいいのだが、ギンコはなまえと顔を付き合わせるのが照れ臭く、そのまま腰を早めた。
霞が、頭にかかる。
「ふああっ!やっ、ぎんこ!!」
「なまえっ、あっ…なまえ…っ」
「あああああ!」
「ああっ!……ん…ん」
白濁の液がなまえのお腹にパタパタと落ちる。蒸気した肌に触れて、ヌルリと床に落ちていく。
実質、連続でイかされたなまえは眠そうに瞼をどうにか上げて、ギンコの頬に唇を少しだけ当てた。
そんな彼女がいじらしく、ギンコも照れを抑えて頬にキスをした。
「ギンコ…薬、ごめん」
「……いいから、少し寝ろ」
「……ん」
応えて、なまえはゆっくり瞼を閉じる。
静かになった小屋の中、全裸のまま眠る彼女の体を懐紙で拭って上着を被せ、唇にそっと自分のを押し当てた。