第2章 血界線戦 ザップ
ぞわりと体が震え、なまえは彼の胸を力いっぱい押す。
ぐらり、と体が傾いて肩がドアにごつんとぶつかる。
痛いと思う間に、取手にかかった手に力が込められ、重力に負けてゆっくりと扉が開いていく。
「すいません、時間まで少しある……ん、ですけど……」
「まっ…レオ、見ないでっ!あっ、んんっ……」
乱暴に唇を重ねられ、褐色の指はなまえの服をずり上げていく。それを阻止する彼女の力ない腕が、健気で更に色気を増加させる。
レオナルドはただ呆然と始まった事の成り行きを見ていたが、何を意味する行為かに考えが至ったところで、顔を真っ赤にさせて周囲を見渡した。
こんなところ誰かに見られでもしたら大変だ。
というのに、ザップはそれすらも楽しむように、容赦なく指を進めていく。
下着なんてとうに服と一緒にずり上げられ、乳房があらわになっていた。
「やあっ…ザップ、ばかっ!だめっ……んぁ、やぁ…」
艶めく彼女の声に、レオナルドはズボンを押さえ込んで、ザップに抗議しはじめる。
「ザップさん!こんなとこで、近所に聞かれたら」
「じゃあ、お前は帰れ。改めて、今度は俺と二人で飯にしようぜ」
威圧的な言葉に、嬉しさを感じることは不可能に感じた。