第8章 たすけて
わたしが泣き出しても、チョロ松くんは動じず、わたしの頭を優しく撫でつづけた。
ぽん、ぽん、というリズムが心地よい。
言い知れぬ安心感が、わたしを包み込む。
「チョロ松くん……」
チョロ松「ん…?」
「ごめんね……っ」
チョロ松「ふふ……どうして謝るの?」
チョロ松くんの優しい声色が、ますます涙腺を刺激した。
涙がぼろぼろと溢れ出してとまらない。
チョロ松「何があったのか、聞いてもいい?」
「……」
わたしは、押し黙った。
チョロ「僕には言いたくないこと…?」
「チョロ松くんだから…とかじゃなくて……」
チョロ松「そっか……」
チョロ松くんは、それ以上なにも言わなかった。
その代わり、わたしを優しく抱きしめてくれた。
ぽんぽん、と子供をあやすように背中を優しく叩いてくれた。