• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君の瞳にうつる色

第8章 たすけて




本当は、たすけてって言いたかった。

わたしの中にあるものを、ぜんぶ吐き出してしまいたかった。


けれども、チョロ松くんだって6つ子のひとりだ。

きっと、話したら、兄弟に何かしらアクションを起こしてしまうだろう。

それは……絶対にダメだ。


わたしは、しばらく黙ったまま、チョロ松くんの腕の中で涙を流しつづけた。

そうしているうちに、気持ちも少しずつ落ち着いてきた。


「チョロ松くん、ありがとう」

チョロ松「ううん。何があったかは分からないけど、あまり溜め込みすぎないでね」

「うん……」


わたしが俯き気味になりながら頷くと、チョロ松くんは、ふたたびわたしの頭をぽんぽんと撫でてくれた。


その手があったかくて、優しくて、なんだか眠くなってきた。


チョロ松「…眠くなってきた?」

「うん……安心したら眠くなってきた」

チョロ松「部屋に戻る?」

「……うん。そうする。ごめんね、付き合わせちゃって」

チョロ松「大丈夫だよ」


わたしが立ち上がろうとすると、チョロ松くんが手を貸してくれた。


チョロ松「僕、トイレ行ってから寝るから」

「あ、うん…」


チョロ松くんは、わたしを階段の下まで送ってくれた。


階段をのぼり、下にいるチョロ松くんを振り向くと、

彼は、ちょっぴり寂しそうな顔をしていた。




/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp