• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君の瞳にうつる色

第6章 せめて…




放課後、わたしは、トド松くんに言われたとおり、屋上へと向かった。

冬の屋上は、やっぱり寒くて、屋上に出た瞬間、思わずぶるっと身震いする。

……トド松くんは、まだ来ていないみたいだった。

トド松くんのクラスは、帰りのホームルームが長引くって、前にカラ松くんが言っていた気がする。

わたしは、ポケットからカイロを取り出して、手のひらで擦り合わせた。


「あったか〜い……」


あったかくて、幸せで、思わず声に出た。

と、そのときだった。


トド松「ちゃーん、お待たせー!」


出入り口から、トド松くんが姿を現した。

トド松くんは、キャメル色のダッフルコートにピンクのマフラーを身につけている。……やっぱり、トド松くんって可愛い。


トド松「ごめんね、待ったでしょ?」

「ううん、大丈夫だよ」

トド松「うちの担任、話長くってさ……ほんとごめんね?」


ぱちんと手を合わせるトド松くん。


「それより、大事な用事があるんだよね? どうしたの?」

トド松「……ああ、うん」


わたしがたずねると、トド松くんは、顔をうつむけた。

そして、もじもじと身体を揺らした。


「……どうかしたの?」

トド松「あのね、ちゃん」

「う、うん……?」

トド松「ちゃん、昨日言ったよね? 何かしら行動したほうがいいって」


……何かしら行動したほうがいい? それって、もしかして、トド松くんが好きな人の話かな?


「うん。言ったよ。その後進展あったの?」

トド松「そうじゃないんだけど……ちゃんのお陰で、決心できたんだ。僕、勇気を出してみるよ」

「そっか…! それは良かった! トド松くんなら、可愛いし、きっと相手の子も――」


言いかけたそのときだった。

突然、手首をつかまれた。



/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp