第6章 せめて…
カラ松「……不安だったんだ。がどっか行ってしまいそうで……は可愛いし、性格もいいし、モテるから……」
「なに、それ。わたしなんて全然モテないし、むしろカラ松くんのほうがモテモテで色んな女の子に言いよられてるじゃん」
わたしなんて、モテた試しがないし。
どうしてカラ松くんがそこまで心配するのか分からない。
……まあ、確かに、おそ松くんと一松くんはわたしを好きだって言ってくれたけれど。
でも、あの2人は特別だ。
カラ松「いや、俺はいいんだ。だって、俺は以外好きにならないし、絶対に目移りなんてしないから」
「……わたしだって、しないよ?」
わたしは、カラ松くんの手に自分の手を重ねた。
「あのね、わたし、本当はずっとずっとカラ松くんのことが好きだったの。カラ松くんが、わたしを助けてくれたあの日から。それで……これは言ってなかったけど、わたしが演劇部に入ったのって、カラ松くんと仲良くなりたかったからなんだ」
カラ松「えっ……?」
「……びっくりしたでしょ? でも、本当なの。わたし、どうすれば人気者のカラ松くんに近づけるか、考えに考えて……それで思いついたのが、演劇部に入ることだったの」
カラ松「そう……なのか。知らなかった」
カラ松くんの顔が、みるみるうちに優しい笑顔に変わっていく。
カラ松「それは……純粋に嬉しいな。がそこまで俺を想ってくれてたなんて」
「うん。だから、わたしのこと、信じて? ね、カラ松くん」
カラ松「ああ。わかった……」
再び、どちらからともなく抱きしめ合う。
一瞬、胸がずきんと痛んだ。