第6章 せめて…
頭を床に打ったのか、意識がぼーっとする……
「から…まつ、くん……」
わたしを冷たく見下ろすカラ松くんに向かって、手を伸ばす。
そのときだった。
カラ松くんの顔が、色を変えた。
カラ松くんは、はっとしたように目を見開いた。
その瞳に、焦りの色がうかぶ。
カラ松「……!? う、うそ……俺……っ」
カラ松くんの腕が、わたしを抱きしめる。
カラ松「ごめんッ、! 俺……そんなつもりじゃなくてっ……こんな……こんなことしたかったわけじゃなくて……!!」
「カラ松くん……」
カラ松「すまないッ、許してくれ…! 俺のこと嫌いにならないでくれ……!」
「嫌いになんてならないよ…?」
ちょっと怖かったけど、
でも、今ここにいるカラ松くんは、紛れもなくわたしの大好きなカラ松くんだ。
わたしは、カラ松くんが好き。
絶対に、何があっても、嫌いになんてならない。
カラ松「……痛かったよな? ごめんな……保健室に行こう」
「ううん、大丈夫だよ。血とかも出てないし…」
わたしがそう答えると、カラ松くんは、再び強い力でわたしを抱きしめた。