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【おそ松さんR18】君の瞳にうつる色

第4章 嫌がらせ




***


昼休みが終わり、教室に戻ったわたしは、違和感を感じた。


……クラスの女の子たちが、わたしのほうを見ているような気がした。


不思議に思いつつも、お弁当の包みを片付けて、次の授業の準備をする。

隣の席の一松くんは、いつの間にかいなくなっていた。


また煙草でも吸ってるのかな……と考えながら、教科書を机の上に出す。

そのとき。


「え……?」


わたしは、絶句した。


教科書に赤いマジックで書きなぐられた、文字、文字、文字。

死ね、消えろ、学校来るな、ブス。

そんな文字が、踊っていた。

ぱらぱらと中身をめくってみると、その赤い文字は、中にもびっしりと書かれていた。


くすくす、と女の子たちが笑う。


悲しさとか、悔しさとか、憎しみとか、そんな単純な言葉では言い表せられない感情が、怒涛のように胸の中を渦巻いた。

涙がこみあげてくるが、泣いたら負けな気がして、ぐっと唇を噛んでこらえる。


そのとき。


一松「……どうしたの」


不意に、一松くんの声がして、わたしは、あわてて教科書を机の中に突っ込んで隠した。

一松くんは、すとんと自分の席に座り、手にもっていた大きなおにぎりを口いっぱいに頬張った。


「い、一松くん……」

一松「……ん? なに?」


この様子だと、たぶん、一松くんは教科書を見ていない。


「あの……次の授業の教科書、忘れてきちゃって。だから、見せてくれない?」

一松「……別にいいけど。めずらしいね」

「ははは……朝あわてて家を出たから、机の上に置きっぱなしにしてきちゃったみたい」

一松「ふーん……」


一松くんは、興味がなさそうに呟いて、わたしの机に自分の机を寄せた。



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