第4章 嫌がらせ
昼休み。
今日も、カラ松くんは、教室にわたしを迎えに来てくれた。
カラ松「、おはよう。メシ食おう」
「う…うん」
元気よく手を挙げて駆け寄ってくるカラ松くん。
ちらりと隣の一松くんを見ると、一松くんは、わたしのこともカラ松くんのことも見ようともせず、もくもくとお弁当を口に運んでいる。
カラ松「……ん? どうかしたのか?」
「えっ……ううん、なんでもないよ」
わたしは、カラ松くんの手を取り、教室をあとにした。
一松くんが何を考えているのか、さっぱり分からない。
わたしのことが好きで、カラ松くんとラブラブなところを見せられて怒ってるって言ってたけど……そんなふうには見えない。
カラ松「昨日は本当にごめんな。せっかく家まで来てくれたのに、あんなことになって…」
廊下を歩きながら、カラ松くんがそんなことを言う。
正直、昨日の話はあまりしたくなかったけれど、怪しまれたらまずいので、「大丈夫だよ」と笑って答えた。
カラ松「今度は、うちじゃなくて……その……もっとゆっくりできる場所に行こうな」
「ゆっくりできる場所……?」
カラ松「ホテル、とか……誰にも邪魔されない場所でしよう」
ホテル……
その単語に、ぼっと顔が熱くなる。
カラ松「……そ、それより、今日はさすがに屋上は寒いし、別な場所で食べないか?」
変な空気を打ち消すかのように、カラ松くんが、むりやり話題を変えた。
「そ、そうだね。どこで食べよっか」
カラ松「ん〜……」
カラ松くんは、顎に手をあてて、考え込むポーズをする。
そして、しばし考えこんだのち、ぱちんと指を鳴らした。
カラ松「思いついた。誰も来ない場所」