第4章 嫌がらせ
そのとき、予鈴が鳴り、みんなはそそくさと自分の席に座った。
ふと、1番前の1番廊下側の席に目をやる。おそ松くんの席だ。
そこには、おそ松くんの姿はなかった。
どうしたんだろう……
先生が教室に入ってきて、おそ松くんがいないままSHRが始まった。
とりあえず、おそ松くんのことは、SHRが終わったら一松くんに訊いてみよう。
そう思ったとき。机の上に小さく畳まれたノートの切れ端が置かれた。
隣の席の一松くんからだ。
「……?」
一松くんを見ると、彼は、2つ目のメロンパンをむしゃむしゃと頬張りながら、無表情でわたしを見つめていた。
……これを読めってこと?
渡された紙をひろげて、中身に目を通す。
『放課後、資料室に来て』
紙には、そう書かれていた。
ぞわり、と嫌な予感が身体をつらぬく。
「ど、どういうこと……?」
怖くなって、一松くんにたずねる。
一松「……どういうことって、そのまんまの意味だけど」
「また昨日みたいなことするの…?」
一松「んー、どうかな」
一松くんは、わたしの反応を楽しむように、曖昧な返事をした。
怖い……
怖いけど、行くしかない。